資産の構築と運用の5つのステージ

資産を構築し運用して、より自由に生きるために。家計改善、株式投資、不動産投資、相続・贈与、マネーリテラシー等、新社会人からリタイア後世代まで全ての皆様に役立つ情報を発信していきます。

【ステージ2以降】NISAのおさらい

ひまわり畑

ウィステリアファイナンス主筆です。

貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、政府はいくつかの投資優遇制度を用意してくれています。賢く資産を構築して運用するためには、投資優遇制度を活用することが重要です。

本ブログでは、以前からいくつかの投資優遇制度について紹介してきました。
前々回は企業型確定拠出年金(DC)について、前回iDeCo(個人型確定拠出年金)についておさらいしました。 今回はNISAについておさらいします。

NISAとは

本ブログ『資産の構築と運用の5つのステージ』では、段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。(詳細は「『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要」を参照お願いします。)

このうちの【ステージ2】投資優遇制度の活用から投資優遇制度を活用した投資を開始します。

投資優遇制度には以下のものがあります。

 

NISAは毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品の売却益に対する税金が非課税となる制度です。
個人で独自に資産運用した場合の税金は約20%ですので、この分お得です。

企業年金個人年金は、原則として60歳になるまで受け取ることが出来ないという縛りがあります。NISAにはこれがなく、いつでも解約して資金を引き出すことができます。都合に合わせて使いやすい制度と言えます。

企業年金個人年金には、拠出金が所得から控除されるため所得税地方税が減るメリットがありましたが、NISAにはこのメリットはありません。

3種類のNISA

NISAには一般NISAつみたてNISAジュニアNISAの3種類があります。
以下、それぞれの概要を説明します。

一般NISAの概要

  • 対象は20歳以上。
  • 年間投資額は最大120万円。
  • 非課税期間は最長5年。
  • 最大600万円まで拠出可能。
  • 拠出の時期と金額は自由に決定可能。

非課税期間は最長5年と書きましたが、ロールオーバーという手続きを取ることで、6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。
ただしロールオーバーした年に新規に拠出できるのは年間120万円からロールオーバーした分の評価額を差し引いた金額までに制限されます。

つみたてNISAの概要

  • 対象は20歳以上。
  • 年間投資額は最大40万円。
  • 非課税期間は最長20年。
  • 最大800万円まで拠出可能。
  • 自分で決めた頻度(通常は月1回)と金額で自動的に拠出される。

ジュニアNISAの概要

  • 対象は0歳から19歳。
  • 運用は親権者が代行して行う。
  • 年間投資額は最大80万円。
  • 非課税期間は最長5年。
  • 最大400万円まで拠出可能。
  • 拠出の時期と金額は自由に決定可能。
  • 原則は18歳までに引き出せない。
  • 20歳から一般NISAへの移管が可能。

非課税期間は最長5年と書きましたが、一般NISAと同様に6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。

18歳以前に解約して引き出すことは可能です。ただしその場合、売却益に対して課税されます。
(一般)NISAとジュニアNISAは、いつでも解約出来て、その時点での売却益は非課税ですので、この点が異なります。

3種類のNISAの使い分け

NISAが3種類もあると、どう使ってよいかわからないという方々も多いと思います。
あまり難しく考える必要はなく、基本的な戦略は以下の通りです。

  1. 一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択
  2. 資金に余裕がある場合はジュニアNISAを追加

 

一般NISAとつみたてNISAは同じ年にはどちらか一方でしか拠出できません。どちらを選択するかは、本ブログでは以下を提言しています。

  • 【ステージ2】投資優遇制度の活用の方々で、年間で40万円(毎月約3万3千円)以上のペースでNISAに拠出することが大変な場合は、まずはつみたてNISAから開始する。
  • 【ステージ3】資産ポートフォリオの展開以降の方々で、投資資金が手元にあり、家計の収支に余裕がある場合には、一般NISAを利用し、早めに最大600万円の枠を使い切る。(一般NISAの制度が続く限り非課税で運用を続けることが出来るので、早めに資金を投入したほうが複利効果をより長くより大きく享受することができるため。)
  • 両者の間の方々は、今後の家計の収支の見込みを考慮した上で、どちらかのNISAを選択するのか、いくら拠出するのかを決定する。

 

一般NISAまたはつみたてNISAを活用してまだ資金に余裕がある場合は、ジュニアNISAを活用します。(もちろん対象となる0歳から19歳のお子様がいることが前提です。)

 

詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

wisteriafinance.hatenablog.com

NISAの投資対象

NISAの運用の結果は自己責任ですので、どう運用するか注意が必要です。
それでは、NISAでは、何に投資すればよいでしょうか?

結論から書きますと、本ブログでは、日本株インデックスファンドに投資することをお勧めします。
日本株の代表的なインデックスは、日経平均TOPIXです。

これは以下のポイントで検討した結果です。

  • 地域は国内か海外か
  • 種類は株式か債券か不動産か
  • 株式の場合、個別株かインデックスファンドか

 

詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

NISAでの金融商品の購入方法

2種類の購入方法

前節では、NISAでは、日本株のインデックスファンドへの投資をお勧めしました。

株式市場は常に変動しています。当然、インデックスファンドの価格も変動します。
それでは、NISAでは、インデックスファンドを含む金融商品をどう購入すればよいでしょうか?

本ブログでは、以下の2種類の購入方法をお勧めします。

ドル・コスト平均法

ドル・コスト平均法について簡単に説明します。

ドル・コスト平均法は、投資家が金融商品を購入する場合に一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して購入する方法です。

定額を購入というのが肝心です。金融商品の価格が高い時は購入数が少なくなり、逆に価格が安い時には購入数が多くなります。
このため、単純に定数を購入するのに比べ、平均すると割安で購入することができる場合が多いのです。
もちろん、最も安い時を見はからって、その時にまとめて購入すれば、もっと割安になります。しかし投資でタイミングを計っても失敗することが多いので、そのリスクは避けるということです。

ドル・コスト平均法は、長期投資でリスクを抑制し、安定した収益を得たい場合に使われます。

つみたてNISAでは、自動的にドル・コスト平均法を実践していることになります。
一般NISAとジュニアNISAでも、定期的に同じ掛金で同じインデックスファンドを購入し続ければ、ドル・コスト平均法を実践していることになります。

購入のクォーター法

次に購入のクォーター法について簡単に説明します。

先述の通り、ドル・コスト平均法では、投資では売買タイミングは読めないことを前提としています。
しかし、売買タイミングはある程度は読めるという考えもあります。

少しリスクを増やしてでも、リターンを増やしたい方々に提案がするのが購入のクォーター法です。(クォーターは四半期(1月~3月、4月~6月、7月~9月、10月~12月)のことです。)
購入のクォーター法はドル・コスト平均法をアレンジしたものです。
購入のクォーター法の対象は一般NISAとジュニアNISAです。

 

購入のクォーター法の購入方針は以下の通りです。

  • 年間の拠出金額を4等分し、各クォーター(四半期)に割り当てる。
  • 基本は各クォーターに1回、タイミングをみて購入する。
  • 第1クォーターから第3クォーターの資金は、それぞれ次のクォーターまでは繰り越してよい。

参考

本節の内容の詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

NISAでの金融商品の売却方法

2種類の売却方法

NISAでは、金融商品をどう売却すればよいでしょうか?

本ブログでは、以下の2種類の売却方法をお勧めします。

  • バイ・アンド・ホールド戦略
  • 売却のクォーター法

これから、32種類のNISAのそれぞれについて適した売却方法をお勧めします。

つみたてNISA

つみたてNISAは20年間の運用が想定されています。いったん金融商品を売却しますと、非課税枠は復活しません。

このため、つみたてNISAでは、バイ・アンド・ホールド戦略をとり、購入した金融商品は最後まで売却しないのがお勧めです。より長い期間、複利で運用するためです。

ジュニアNISA

ジュニアNISAは名義人が少なくとも18歳になるまでの運用が想定されています。つみたてNISAと同様に、いったん金融商品を売却しますと、非課税枠は復活しません。売却した資金で別の金融商品を購入すると、新たに非課税枠を使うことになります。

またジュニアNISAでは原則は本人が18歳になるまで引き出しは禁止です。正確に言うと18歳以前に引き出すことは可能ですが、その場合は利益に対して課税されます。

ジュニアNISAの非課税期間は最長5年ですが、6年目以降は課税されるというわけではありません。
ロールオーバーという手続きを取ることで、6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。価格が上昇して年間拠出額を超えていても、超えた部分を含めて非課税で運用することが可能です。

このため、ジュニアNISAでは、バイ・アンド・ホールド戦略をとり、購入した金融商品は最後まで売却しないのがお勧めです。

一般NISA

一般NISAの基本的な売却方法は、つみたてNISAやジュニアNISAと同じバイ・アンド・ホールド戦略です。
一般NISAの制度が続く限り、ロールオーバーを続けます。より長い期間、複利で運用するためです。

 

一般NISAとジュニアNISAでは非課税枠について重大な相違点があります。
ジュニアNISAでは、非課税枠が発生するのは、制度の利用を開始して5年間です。6年目からは発生しません。
これに対し、一般NISAでは、制度の利用を開始して6年目以降も毎年新たに非課税枠が発生します。

この一般NISAの非課税枠の性格をふまえて、5年目にロールオーバーせずに売却するオプションがあります。

投資で売買タイミングをある程度は読めると考えて、少しリスクを増やしてでも、リターンを増やしたい方々には、5年目にロールオーバーせずに売却する売却のクォーター法を提案します。

売却のクォーター法は、バイ・アンド・ホールド戦略をアレンジしたものです。

具体的には以下の通りです。

  1. 1年目に購入した金融商品を4年目の終わりまで保持する。
  2. 1年目に購入した金融商品を5年目の間にタイミングをみて売却する。
  3. 5年目の間に新たに金融商品をタイミングをみて購入する。
  4. 5年目に購入した金融商品を9年目の終わりまで保持する。

1年目から4年目と6年目から9年目はバイ・アンド・ホールド戦略をとります。この間は安定的に運用します。
5年目にタイミングをみて売買します。ここで少しリスクをとり、少し高いリターンを狙います。

 

「1年目に購入した金融商品を5年目の間にタイミングをみて売却する。」は具体的には以下の通りです。

  1. 5年目の金融商品を4等分し、各クォーター(四半期)に割り当てる。
  2. 基本は各クォーターに1回、タイミングをみて売却する。
  3. 第1クォーターから第3クォーターの金融商品は、それぞれ次のクォーターまでは繰り越してよい。

「5年目の間に新たに金融商品をタイミングをみて購入する。」は先述の購入のクォーター法のことです。

参考

本節の内容の詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

 

おわりに

今回はNISAについて書きました。
ただし、現在はNISAの制度の見直しが行われており、今回説明したことからいくつか変更されることはほぼ間違いありません。変更内容が確定しましたら、新しく記事を書く予定です。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。

 

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