資産の構築と運用の5つのステージ

資産を構築し運用して、より自由に生きるために。家計改善、株式投資、不動産投資、相続・贈与、マネーリテラシー等、新社会人からリタイア後世代まで全ての皆様に役立つ情報を発信していきます。

【ステージ1以降】資産の把握と分析のために資産一覧表を作成しよう

金の延べ棒

ウィステリアファイナンス主筆です。

皆さんは、現時点でのご自身の資産の総額を正確に把握していますか?
把握できていない方々は、意外に多いのではないでしょうか。

資産運用する上で、資産一覧表を作成して資産を正確に把握し、その時間的変化を分析することは重要です。

今回は資産一覧表の作成方法について説明します。

資産一覧表とは

本ブログ『資産の構築と運用の5つのステージ』では、段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。(詳細は「『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要」を参照お願いします。)

資産ポートフォリオも段階的に構築していきます。

 

資産ポートフォリオとは、現金、株式、債券、不動産、貴金属、仮想通貨、等の個人や法人が保有している資産の一覧のことです。
詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

 

資産一覧表には、資産ポートフォリオの全構成要素の最新の評価額を整理して記録します。
更新は月に1回、月末に締めるのがよいでしょう。

資産一覧表を利用して、資産ポートフォリオ時価総額とその内訳の時間的変化を分析することで、これからの資産運用の方針を決定することができます。
資産ポートフォリオのリバランスが必要となることもあります。また資産の家計の収支のさらなる改善が必要となることもあります。

資産一覧表はExcelで自作がお勧め

資産一覧表の重要性は理解していただけたと思います。

さて、資産一覧表を何で作成するのがよいでしょうか?

世の中にはいろいろな種類の資産一覧表の帳面やアプリがあります。
帳面に手書きして電卓で計算するは面倒ですね。計算ミスが無いか検算もしなければなりませんし。
アプリは必要以上に複雑な機能があったりして、使いにくいことが多かったりします。

そこでお勧めは、自分でExcelで作ってしまうことです。
四則演算以上の複雑な計算式は不要、当然マクロも不要ですので、あまりExcelスキルがなくても作成することができます。

資産一覧表における資産の分類

資産一覧表において資産をどう分類するのがよいでしょうか?
これは資産の大まかな配分を表すアセットアロケーションにも使われている、種類による分類地域による分類がわかりやすいのではないでしょうか。

 

まずは種類による分類を説明します。

資産を大きく分類すると、金融資産実物資産があります。それぞれの定義は以下の通りです。

  • 金融資産:形が無く、価値は他者に担保されているもの
  • 実物資産:形が有り、それ自体に価値があるもの

金融資産の代表は、現金株式債券です。
それら以外は、その他の分類でよいでしょう。

ここで言う現金は、広い意味での現金です。紙幣と硬貨以外にも、銀行、証券会社、等の金融機関に預けているお金(預金や委託証拠金、等)を含みます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)NISAの場合は、現金、株式、債券、等の投資対象に振り分けます。

その他に該当するのは、企業型確定拠出年金(DC)以外の企業年金、生命保険、退職金、仮想通貨、等です。
企業型確定拠出年金(DC)の場合は、その他ではなく、現金、株式、債券、等の投資対象に振り分けます。

 

実物資産の代表は、不動産です。
それ以外の貴金属、書画骨董、自動車、等は、その他の分類でよいでしょう。

不動産は自宅を含みます。またREIT(不動産投資信託)も含みます。

 

次に地域による分類を説明します。

これはシンプルに国内海外でよいでしょう。

海外の資産の時価はは最新の為替レートで日本円に換算します。

国内か海外かの分類が難しいものがあります(例えば仮想通貨)。このような場合はルールを決めて分類しましょう。ルールの例は以下の通りです。

  • 全部、国内とする
  • 国内と海外で半分ずつにする
  • 国内で売却する予定なら国内、海外で売却する予定なら海外とする

 

上記の分類で資産ポートフォリオを表現したのが下表です。

  国内 海外 小計
金融資産 現金      
株式      
債券      
その他      
小計      
実物資産 不動産      
その他      
小計      
合計      

資産一覧表の作成

それでは、先述の分類に基づいて、資産一覧表を作成してみましょう。

 

為替レートのシート

最初に為替レートを記録するための為替レートのシートを作成します。

為替レートのシートには、資産を持っている外貨の為替レートを記録します。

資産が全て国内資産のみの場合は、このシートの作成は不要です。

為替レートのシートのイメージは下表の通りです。

  通貨1 通貨2 ...
1月      
...      
12月      

 

現金のシート

次に現金のシートを作成します。

現金のシートには、現金の資産を国内と海外でそれぞれ集計します。

海外の分は為替レートのシートを参照して外貨を日本円に換算します。

FX(Foreign Exchangeの略、外国為替証拠金取引)の場合、最新の評価額はポジションの合計ではなくて、委託証拠金に未実現損益を加えたものです。(買いポジションを取れば取るだけ、資産が増えるというのもおかしな話なので。)

合計については、前月からの差異がわかるようにします。(お好みで小計の差異も追加してください。)

現金のシートのイメージは下表の通りです。

  国内 海外 合計 差異
紙幣・硬貨 金融機関1 小計 紙幣・硬貨 金融機関2 小計
日本円 日本円 日本円 通貨1 日本円 通貨2 日本円 日本円 日本円
1月                    
...                    
12月                    

 

株式のシート

次に株式のシートを作成します。

株式のシートでは、株式の資産の最新の評価額を国内と海外でそれぞれ集計します。

海外の分は為替レートのシートを参照して外貨を日本円に換算します。
最初から日本円で評価額が出ている場合は、その値を使用します。

合計については、前月からの差異がわかるようにします。(お好みで小計の差異も追加してください。)

株式のシートのイメージは下表の通りです。

  国内 海外 合計 差異
金融機関1 金融機関2 小計 金融機関3 金融機関4 小計
日本円 日本円 日本円 通貨1 日本円 通貨2 日本円 日本円 日本円
1月           -        
...           -        
12月           -        

 

債券のシート

債券のシートも株式のシートと同様に作成します。

債券の資産が無い場合は、このシートの作成は不要です。

 

その他の金融資産のシート

その他の金融資産のシートは株式のシートと同様に作成します。

その他の金融資産が無い場合は、このシートの作成は不要です。

なお、生命保険の最新の評価額は解約返戻金です。
退職金の最新の評価額は退職一時金です。

 

不動産のシート

不動産のシートも株式のシートと同様に作成します。

不動産の資産が無い場合は、このシートの作成は不要です。

最新の評価額がわからない場合は、とりあえず購入価格でもよいでしょう。

ローンがある場合は、評価額からローン残額のうち未返済の元本の分を差し引きます。

 

その他の実物資産のシート

その他の実物資産のシートも株式のシートと同様に作成します。

その他の実物資産が無い場合は、このシートの作成は不要です。

 

サマリーシート

最後に、これまで作成した各シートの集計結果を参照して整理するサマリーシートを作成します。

まず金額の表を作成します。単位は日本円です。

合計については、前月からの差異がわかるようにします。

金額の表のイメージは下表の通りです。

金額 種類 地域 合計 差異
金融資産 実物資産
現金 株式 債券 その他 小計 不動産 その他 小計 国内 海外
1月                        
...                        
12月                        

 

同様に比率の表を作成します。

比率 種類 地域 合計
金融資産 実物資産
現金 株式 債券 その他 小計 不動産 その他 小計 国内 海外
1月                      
...                      
12月                      

 

以上で資産一覧表は完成です。

資産の購入と売却により、資産ポートフォリオの構成要素も変化します。資産一覧表のExcelファイルは毎年作成し直すことをお勧めします。

おわりに

今回は資産一覧表について書きました。
資産一覧表を作成して資産を正確に把握し分析することで、安定的な資産運用をしましょう。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。

 

関連記事

親の階層

wisteriafinance.hatenablog.com

 

同じ階層

wisteriafinance.hatenablog.com

wisteriafinance.hatenablog.com

 

にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へ
↑応援のクリックをお願いします。