資産の構築と運用の5つのステージ

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【ステージ3以降】外貨の調達と運用 外貨預金とFXの使い分けの方法

海外の紙幣と硬貨

 

ウィステリアファイナンス主筆です。

以前に「【ステージ3】投資資金の準備 国際分散投資の開始」において、国際分散投資の必要性について説明しました。

国際分散投資においては、外貨をどう調達するかが重要です。また調達した外貨を投資にまわすまでの間にどう現金として運用するかも考慮する必要があります。
今回は外貨の調達と運用について、外貨預金とFX(Foreign Exhange)の使い分けの方法について説明します。

外貨預金への不満

既に外貨を持っている方々を除き外貨は日本円で調達する必要があります。
外貨を調達する手段として、皆さんがまず思いつくのは銀行の外貨預金と思います。
(空港等にある両替所もありますが、海外旅行に使う程度の少額の話ですのでここでは除きます。)

外貨預金は多くの銀行で取り扱っており、手軽に利用できます。ただし以下の不満があると思います。

  • 普通預金と短期の定期預金の金利は長期の定期預金に比べて低い。
  • 定期預金は途中解約できない。
  • 為替手数料が高い。

金利の差と途中解約については、外貨預金に限った話ではなく円預金も同じですが...

定期預金の金利は、例えばSMBC信託銀行の場合、現時点(2019年8月22日)では、米ドルでは1ヶ月が0.1%、3ヶ月が0.2%、6ヶ月が0.3%、1年が0.6%、3年が1.0%となっています。かなり違いますね。
【参考】SMBC信託銀行 外貨定期預金 金利一覧

定期預金は中途解約できないため、金利が高いからといって、あまり長期で組むと、投資したい時に引き出せずに機会損失となってしまいます。

為替手数料は、売買の両方でかかります。
米ドルの場合、1ドルあたり1円が一般的です。約1%ですね。他の通貨の場合は米ドルより流通量が少ないのでもっと割高です。

以上の外貨預金の不満を解消するためにFXを活用する方法がありますので、これから説明します。

FXの活用法

1. 通常取引

ほとんどの人はFXを、外貨を取引して利益を得る目的で利用しています。(便宜上、これを通常取引と呼びます。)
外貨を売り買いして、為替変動でキャピタルゲイン金利差によるスワップポイントでインカムゲインを得(ることを狙い)ます。

スワップポイントは外貨預金における利子に相当するものです。スワップポイントは基本的に毎日付与されます。

ここで注目すべきポイントは、スワップポイントを外貨預金の金利に換算すると、短期の外貨預金の金利より高いということです。
外貨預金は銀行により異なり、スワップポイントもFX業者により異なる上に変動するため、一概には言えませんが、スワップポイントは1年以上の外貨預金の金利に相当するのではないでしょうか。

さらにFXはいつ売買してもよいので、定期預金のような期間の縛りがありません。

FXにおける通常取引は、外貨預金に比べてメリットがあることがおわかりになると思います。
日本円を外貨預金の代わりに、FXにおける通常取引で運用することを考えてもよいと思います。(ただしあまり欲張ると失敗しますので注意しましょう。)

2. 受け渡し取引

受け渡し取引とはFX業者が提供する両替サービスです。これはあまり知られていないと思います。
受け渡し取引は、日本円から外貨、外貨から日本円、ある外貨から別の外貨にも行えます。

FXの通常取引では、外貨を買っていても、それは買いポジションを持っているだけであって、実はそのままではFX業者から外貨として出金できないのです。

受け渡しのメリットは為替手数料が安いことです。例えばセントラル短資の場合、米ドルで10,000ドルあたり500円です。約0.05%です。約1%の外貨預金と比べると破格の安さですね。

外貨の現金を調達する際には、FX業者の受け渡し取引を利用するのが有利であることがおわかりになると思います。

最後に、受け渡し取引で注意するポイントを挙げます。

  • 受け渡取引は全てのFX業者がサポートしているわけではない。
  • ある程度まとまった金額が必要である(例えば米ドルは1万ドル単位)。
  • 受け渡しで得た外貨には利子がつかない。

受け渡取引をサポートしているか否かが、FX業者を選定する際に考慮する重要なポイントとなります。

受け渡し取引で得た外貨で利子を得るためには、FX業者から銀行に送金して外貨預金にする必要があります。ただし外貨も証拠金に換算されるため、FX業者から出金せずにこれを元手に通常取引することが可能です。

外貨預金とFXの使い分けの方法

本ブログでは資産の構築と運用の5つのステージとして段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。
ここでは【ステージ3】以降で月々に投資資金を積み立て、【ステージ4】以降で、ある程度投資資金がたまったら実際の投資にまわします。

これを前提に、外貨預金とFXの使い分けの方法として、以下を提案します。

  • 投資資金はまず日本円でFX業者に証拠金として預け、それを元手にFXの通常取引で運用する。
  • 円高のタイミングで、FXの受け渡し取引で外貨の現金を割安で調達する。
  • 円安のタイミングで、FXの受け渡し取引で日本円の現金を割安で調達する。
  • 投資で外貨が必要な時に、FXの受け渡し取引で外貨の現金を調達する。
  • 投資で日本円が必要な時に、FXの受け渡し取引で日本円の現金を調達する。
  • 当面の間、投資する予定のない外貨の現金は、長期の外貨定期預金とするか、FXの証拠金とする。

次の投資に日本円と外貨のどちらがいくら必要かを想定し、為替変動に合わせて事前に割安で調達しておき、不足分はFXの受け渡し取引で調達するという考えです。

なお、FXの通常取引は、無理に行う必要は無く、ローリスク・ローリターンを望む方々は日本円の銀行預金でも構いません。

おわりに

今回は外貨の調達と運用における外貨預金とFXの使い分けの方法を書きました。

外貨預金もFXも、為替変動により損失を出すリスクがあります。
このリスクをどうコントロールするかについては、後日、書く予定です。ご期待ください。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。

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