【ステージ4】投資による資産構築の加速 資産ポートフォリオの継続的整備
本ブログ『資産の構築と運用の5つのステージ』の各ステージの概要は 「『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要」で説明しました。
また前回は【ステージ3】資産ポートフォリオの展開について説明しました。
今回は【ステージ4】投資による資産構築の加速について説明します。
【ステージ4】は、資産ポートフォリオに現金と株式以外を追加して資産構築を加速していくステージです。
- 【ステージ1】家計の黒字化
- 【ステージ2】投資優遇制度の活用
- 【ステージ3】投資資金の準備
- 【ステージ4】投資による資産構築の加速 ← ここ
- 【ステージ5】資産の安定的な運用と継承
【ステージ4】の説明に入る前に、まず資産ポートフォリオについておさらいしておきます。
資産ポートフォリオのコンセプトは、資産を一種類に集中せずに分散して持つことで、リスクを軽減しつつある程度のリターンを得るというものです。
ハイリスク・ハイリターンでもローリスク・ローリターンでもなく、ミドルリスク・ミドルリターンを目指すということですね。
資産の分散には、主に以下の種類があります。
- 種類の分散
- 地域の分散
- 時間の分散
種類の分散は、現金、株式、債券、不動産、貴金属、仮想通貨、等です。
地域の分散は、大まかには国内と海外の分散です。海外の中でも先進国か新興国か、先進国の中でもアメリカかヨーロッパか、と細分化されます。
時間の分散は、一度に資金投入せず、購入時期を何回かに分けるということです。
段階的な資産の分散
先述の通り、資産ポートフォリオの本質は資産の分散にあります。
ただし、資産が少ないうちに分散しても、もともと金額が少ないので効果は薄いです。
本ブログでは、資産が増えるにしたがって、段階的に投資対象の種類を増やして分散を実現することを提唱します。
【ステージ1】では、円建て現金のみでした。
【ステージ2】では、投資優遇制度を活用して、国内株式への投資を開始しました。
【ステージ3】では、国際分散投資の観点から、外貨建ての現金を用意して、海外株式への投資を開始しました。
それでは、次の【ステージ4】では、何に投資するとよいのでしょうか?
株式投資の次は不動産投資
不動産に投資する理由
【ステージ4】では、何に投資するとよいのでしょうか?
結論から言いますと、本ブログでは、株式の次は不動産に投資することをお勧めします。
その理由をこれから説明します。
資産ポートフォリオで種類の分散を図る場合は、性格の異なるものを組み合わせるが原則です。
こうすることで、資産全部の価値がいっぺんに下落するリスクを避けることができます。
資産には、実物資産と金融資産があります。
それぞれの定義は以下の通りです。
- 実物資産:形が有り、それ自体に価値があるもの
- 金融資産:形が無く、価値は他者に担保されているもの
不動産は実物資産、株式と債券は金融資産です。
金融資産である株式の次には、同じ金融資産である債券よりも、実物資産である不動産が望ましいと考えます。
不動産の価値は、地域や物件の固有の事情によって変動します。鉄道や道路の開通、商業施設の発展、学校の移転、等ですね。
つまり金融資産とはまた違った価格メカニズムが働いています。
この意味でも、株式の次は性格の異なる不動産と言えるのではないでしょうか。
現物不動産かREITか
不動産に投資するとして、どのような不動産に投資するとよいのでしょうか?
不動産に投資する方法には、当たり前ですが現物不動産の物件を購入する方法があります。
それ以外に、REIT(Real Estate Investment Trust)があります。REITは「公衆から調達した資金を不動産に投資する金融商品」です。要するに間接的に購入するわけですね。
現物不動産とREITには、それぞれメリットとデメリットがあります。
ただし、現物不動産には金融機関から融資を受けることができるという非常に大きなメリットがあります。レバレッジ効果により、資産構築を加速することができます。
このため、本ブログでは、現物不動産への投資をお勧めします。
国内不動産か海外不動産か
現物不動産に投資するとして、最初は国内不動産と海外不動産のどちらに投資するのがよいのでしょうか?
本ブログでは、最初は国内不動産に投資することをお勧めします。
第一の理由は、まず国内不動産で不動産投資の経験を積んだほうがよいからです。
不動産投資には株式投資に比べて手続きが多いため、必要な情報やサポートが得やすい国内不動産のほうがお勧めです。
第二の理由は、国内不動産のほうが海外不動産より比較的リスクが低いからです。
外国にはその国固有のカントリーリスクがあります。また現地の業者、等とトラブルがあった時には、国内に比べて対応が難しいです。
国内不動産で経験を積んだら、次は海外不動産に挑戦しましょう。
資産ポートフォリオの運用
構成比率の調整
資産ポートフォリオに国内と海外の不動産を組み込んだら、ひとまず資産ポートフォリオの構築が一段落したことになります。
それでは、資産ポートフォリオの構築が一段落した後、資産ポートフォリオをどう運用すればよいでしょうか?
それぞれの投資対象で価値の増減に差があります。また給与所得や投資から新たに得た資金を新たに投資する必要があります。
このため、資産ポートフォリオの構成比率を調整しながら運用する必要があります。
先述の通り、資産の分散には、種類の分散、地域の分散と時間の分散があります。
資産ポートフォリオの運用の大方針は、種類の分散と地域の分散の比率を、あらかじめ定めた目標値の一定の範囲内に保つことです。(時間の分散は、段階的に投資することで自然に実現されます。)
具体的には、種類の分散である現金、株式および不動産の比率と、地域の分散である国内と海外の比率を保つことです。言い換えますと、資産ポートフォリオの構成比率の調整です。
資産ポートフォリオを継続的に整備して、構成比率を適正に保つことで、リスクとリターンを調整することができます。
債券投資とオルタナティブ投資
資産ポートフォリオで種類の分散を図る場合は、性格の異なるものを組み合わせるが原則です。
株式と不動産に投資したうえで、資金にまだ余裕がある方々は、追加で債券に投資して何の問題もありません。
これにより金融資産の中でさらに種類の分散を図ることができます。
また、世の中の主要な3つの投資対象である株式、債券と不動産以外への投資は、オルタナティブ投資と総称されます。オルタナティブ投資は代替投資とも呼ばれます。
株式、債券と不動産に投資したうえで、資金にまだ余裕がある方々は、オルタナティブ投資を考えてもよいでしょう。
ただし、オルタナティブ投資には超ハイリスクなものもありますので、資産ポートフォリオにおける構成比率を低く限定するように気をつけましょう。
【参考】収支モデル
収支モデルとは
【ステージ4】の収支モデルを説明します。
収支モデルには以下の3種類があります。
- 収入のモデル
- 収入と支出と投資のモデル
- 資産のモデル
収入のモデルは収入の内訳を示します。
収入と支出と投資のモデルは収入、支出、投資および貯蓄の関係を示します。
資産のモデルは月初と月末の資産の差異と投資と貯蓄の関係を示します。
収入のモデル
収入のモデルは【ステージ3】と同じです。
収入については以下の式が成立します。
収入と支出と投資のモデル
収入と支出と投資のモデルは【ステージ3】と同じです。
収入と支出と投資については以下の式が成立します。
- 収入 - 支出 = 投資 + 貯蓄
- 投資 = 個人年金の掛金 + NISAの掛金 + 個人投資
資産のモデル
資産のモデルは【ステージ2】および【ステージ3】と同じです。
資産については以下の式が成立します。
- 月末の資産 = 月初の資産 + 投資 + 貯蓄
【参考】資産ポートフォリオ
資産ポートフォリオとは、現金、株式、債券、不動産、貴金属、仮想通貨、等の個人や法人が保有している資産の一覧のことです。
資産ポートフォリオを組む目的はリスク分散です。
資産を一種類に集中せずに分散して持つことで、リスクを軽減しつつ、ある程度のリターンを得ることを目指します。
『資産の構築と運用の5つのステージ』では、資産ポートフォリオを段階的に構築することをお勧めします。
資産ポートフォリオの内容は、新社会人からリタイア後世代までのライフステージの遷移につれて変化していきます。
【ステージ4】では資産ポートフォリオは段階的に変化します。
代表的なものとして、種類は現金、株式と不動産の3つ、地域は国内と海外の2つで分類した資産ポートフォリオを示します。なお、現金は紙幣、硬貨だけではなく預金も含めます。
まずは国内不動産への投資を開始します。
国内 | 海外 | |
---|---|---|
現金 | 〇 | 〇 |
株式 | 〇 | 〇 |
不動産 | 〇 |
次に海外不動産への投資を開始します。これで資産ポートフォリオはひとまず完成です。
国内 | 海外 | |
---|---|---|
現金 | 〇 | 〇 |
株式 | 〇 | 〇 |
不動産 | 〇 | 〇 |
おわりに
今回は投資による資産構築の加速について書きました。
投資により、資産構築を加速させましょう。ただし資産ポートフォリオの構成比率を適正に保ちリスクとリターンを調整することを忘れないようにしましょう。
次回は【ステージ5】について説明します。資産の安定的な運用と継承についてです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。
おわりに
今回は投資による資産構築の加速について、特にここで考慮すべき資産ポートフォリオについて書きました。
次回は【ステージ5】資産の安定的な運用と継承について説明します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。
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