資産の構築と運用の5つのステージ

資産を構築し運用して、より自由に生きるために。家計改善、株式投資、不動産投資、相続・贈与、マネーリテラシー等、新社会人からリタイア後世代まで全ての皆様に役立つ情報を発信していきます。

【ステージ4以降】株式投資の次は不動産投資 では現物不動産かREITか

ビルのある夜景

 

ウィステリアファイナンス主筆です。

以前に「【ステージ2以降】企業型確定拠出年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAでは何に投資すべきか?」で、投資の初期段階では、まず株式に投資することをお勧めしました。

今回は株式の次には不動産に投資することが望ましい理由を説明します。
次に不動産投資のうち、現物不動産とREIT(Real Estate Investment Trust)のどちらがお勧めかを説明します。

資産ポートフォリオではまず株式に投資

まず【ステージ2以降】企業型確定拠出年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAでは何に投資すべきか?をおさらいします。

本ブログでは資産の構築と運用の5つのステージとして段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。

資産ポートフォリオも段階的に見直します。
資産ポートフォリオは、以前に「【ステージ4】投資による資産構築の加速 考慮すべきは資産ポートフォリオ」で説明しました。資産を1種類に集中せずに分散して持つことで、リスクを軽減しつつ、ある程度のリターンを得るというものです。

始めは比較的ハイリスク・ハイリターンな資産ポートフォリオを組んで運用し、やがて比較的ローリスク・ローリターンな資産ポートフォリオに移行していきます。
たとえ資産運用で失敗したとしても、若いほうがその後に挽回できる可能性が高いためです。

一般的な傾向として債券と株式を比較すると、株式のほうがハイリスク・ハイリターンです。
このため、投資の初期段階では、比較的ハイリスク・ハイリターンな株式に投資することをお勧めしました。

株式投資の次は不動産投資

世の中の主要な投資の対象は、株式、債券そして不動産です。(他のものを対象とするものはオルタナティブ投資と総称します。)
では、株式の次は債券と不動産のどちらに投資するとよいでしょうか?

結論から言うと不動産です。
これからその理由を説明します。

 

資産ポートフォリオで種類の分散を図る場合は、性格の異なるものを組み合わせるが原則です。
こうすることで、資産全部の価値がいっぺんに下落するリスクを避けることができます。(逆にいっぺんに上昇することもありませんが。)

資産には、実物資産金融資産があります。
それぞれの定義は以下の通りです。

  • 実物資産:形が有り、それ自体に価値があるもの
  • 金融資産:形が無く、価値は他者に担保されているもの

不動産は実物資産、株式と債券は金融資産です。

 

実物資産と金融資産にはいくつかの性格の違いがあります。

まず、実物資産は金融資産よりも価値の変動が緩やかです。
金融資産は取引市場で頻繁に取引されており、経済指標、企業の業績、政策金利、トランプ砲(笑)、等の様々な要因で日々刻々と価値が変動します。
これに対して、実物資産は年単位のタイムスケールで緩やかに変動します。(1990年あたりの日本の不動産バブルのような例外はありますが。)

次に、実物資産はそれ自体に価値があるため、金融資産とは違って価値はゼロにはなりません。
不動産で、もし建物が全壊しても、土地の価値は残ります。それに対し、株式の価値は会社が倒産したらゼロになります。

 

先述の通り、資産ポートフォリオでは性格の異なるものを組み合わせるが原則です。
このため、金融資産である株式の次には、同じ金融資産である債券よりも、実物資産である不動産が望ましいと考えます。

 

不動産の価値は、地域や物件の固有の事情によって変動します。鉄道や道路の開通、商業施設の発展、学校の移転、等ですね。
つまり金融資産とはまた違った価格メカニズムが働いています。
この意味でも、株式の次は性格の異なる不動産と言えるのではないでしょうか。

現物不動産とREITの比較

実は不動産投資の対象として、直接購入する現物不動産の他に、REIT(Real Estate Investment Trust)があります。(議論がややこしくなるため今まで書きませんでした。)
REITは「公衆から調達した資金を不動産に投資する金融商品」です。不動産投資信託とも呼ばれます。

 

REITは、実物資産と金融資産の中間の性格を持っています。

現物不動産と比較した場合、REITには以下のメリットがあります。

  • 少額から売買できる。
  • 証券会社で株式と同様に手軽に売買できる。
  • 個人では購入が難しい様々な種類の不動産にも投資できる。(都心の高層ビル、海外リゾートホテル、等。)

REITのデメリットは、実物資産と金融資産の中間の性格を持つため、資産ポートフォリオの種類の分散の効果が薄れることです。
機関投資家個人投資家は、REITを株式と債券と同類と捉えて売買するためにこうなります。

 

実は現物不動産にREITにはない大きなメリットがあります。

それは金融機関から融資を受けることができる、言い換えると投資用不動産ローンを組むことができるということです。
(「REITに投資するからお金を貸して」と銀行に行っても1円も貸してくれません。)

 

投資用不動産ローンを組むことにより、資産構築を加速することができます。

資金を積み立てて全額そろってから現金で購入する場合と、ローンを組んで購入して積み立て資金と不動産から得た利益でローンを繰り上げ返済する場合を比較すると、後者の方が不動産を完全に所有する時期は早くなります。自分と不動産の借り手の両方でローンを返済しているようなものですから。
もちろん、ローンの金利が不動産の利回りに対し低く、ローンを返済しても利益が出るのが前提条件です。

またローンを組んで購入する場合、購入時に支払う金額は頭金だけですので、現金で購入する場合と比較べて少額で済みます。
頭金が物件価格の1/3とすると、同額の資金で同程度の物件を3つ購入できるわけです。
このレバレッジ効果により、資産構築を更に加速することができます。

 

このように資産構築の加速という大きなメリットがあるため、金融機関から見て信用力がある人は、投資用不動産ローンを組んで現物不動産を購入することをお勧めします。

これを「信用力のマネタイズ」と言います。

自分がどの程度の信用力があり、どのような条件の投資用不動産ローンを組むことができるかは、不動産業者を介して金融機関に確認することが出来ます。(街角の支店をいきなり訪問して訊いても答えてくれないと思います。)
不動産業者で物件の検討を始める際に、相談してみてはいかがでしょうか?

投資用不動産ローンへの抵抗感の対処法

投資用不動産ローンを組むことには抵抗感がある、不安がある、なかなか決心がつかないと言う方々も多いと思います。

実は私もそうでした。
私が初めて東京23区内のワンルームマンションの物件を購入したのは2014年でした。その際は投資用不動産ローンを組む決心がつかず現金で購入しました。(まあ、現金で購入するのも大きな決心でしたが。)
その後、着実に家賃が振り込まれてローンが返済されているうちに、意識の変革が起きて、漠然とした不安はあっさりと消え去りました。
そして早速、別の物件をローンを組んで購入しました。それからも、いくつかローンを組んで物件を買い足しています。
以上、世の中にはやってみないとわからないことはある、というお話でした(笑)。

 

抵抗感がある方は、まず比較的少額な物件でローンを組んでみてはいかがでしょうか?
不安が解消されない場合は、それで打ち止めとし、解消されたら次の物件を検討、です。

投資用不動産ローンを組めない場合の対処法

信用力は金融機関の基準に基づいた評価です。
個人事業主、中小企業にお勤めの方、転職したばかりの方は、たとえ高額の収入があったとしても、投資用不動産ローンを組むことが難しい場合もあるかもしれません。

その場合には、まず資金をREITで積み立てて運用し、必要な金額がそろったら現物不動産を現金で購入するのもよいでしょう。

おわりに

今回は株式の次には不動産に投資するのが望ましいこと、投資用不動産ローンを組み現物不動産を購入することにより資産構築を加速することができることを書きました。

次回は、まずどのような不動産を購入するのが望ましいかを書く予定です。ご期待ください。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。

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