【ステージ2】投資優遇制度の活用 企業型年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISA
以前に『資産の構築と運用の5つのステージ』の各ステージの概要は 『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要で説明しました。
また前回は【ステージ1】家計の黒字化について説明しました。
今回は【ステージ2】投資優遇制度の活用について説明します。
【ステージ2】は、企業型年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISAといった投資優遇制度を活用した投資を開始するステージです。
- 【ステージ1】家計の黒字化
- 【ステージ2】投資優遇制度の活用 ← ここ
- 【ステージ3】投資資金の準備
- 【ステージ4】投資による資産構築の加速
- 【ステージ5】資産の安定的な運用と継承
投資優遇制度
【ステージ1】家計の黒字化で毎月の家計の収支を黒字化したら、次に考えることは毎月資金を積み立てて投資することです。
「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、政府はいくつかの投資優遇制度を用意してくれていますので、これを活用しない手はありませんね。
優遇とはどういうことかと言いますと、以下のメリットがあります。
投資優遇制度には以下のものがあります。
企業型年金
企業型年金は企業が任意で用意する年金です。国民年金、厚生年金、共済年金等の公的年金に上乗せする形で存在しています。
企業年金には主に確定給付企業年金と企業型確定拠出年金(DC)があります。
お勤めの方は、勤務先により、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金(DC)のどちらかの企業型年金が採用されていたり、どちらも採用されていないかです。
企業型年金は家計の収支に関係なく、毎月定額が給料から天引きされます。【ステージ1】でまだ家計の収支が黒字化していない方々も関係しているわけです。
確定給付企業年金では、運用は企業側で行います。このため個人で裁量出来ることは何もありません。
これに対して、企業型確定拠出年金(DC)は、運用は個人で行います。
企業型確定拠出年金(DC)の運用の結果は自己責任ですので、どう運用するか注意が必要です。
本ブログでは、企業型確定拠出年金(DC)の運用方法について書いていきます。
個人型年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)は個人が任意で用意する年金です。公的年金、企業型年金に上乗せする形で存在しています。
企業型年金と異なり、自営業者も専業主婦(夫)もiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することができます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は個人で任意に加入するものです。
毎月の拠出金は自分で設定することができます。拠出金額の上限は職業により異なります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の注意点は、あくまでも年金ですので、原則は60歳になるまで受け取れないということです。まとまったお金が必要になったからといって、iDeCo(個人型確定拠出年金)を解約して拠出金を引き出すということはできません。
毎月資金を積み立てて投資することは重要ですが、積み立ては無理のない範囲で行うのがお勧めです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用は個人で行います。その運用の結果は自己責任ですので、どう運用するか注意が必要です。
本ブログでは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の運用方法について書いていきます。
NISA
企業型年金とiDeCoの掛け金を拠出したうえで、なお余裕があれば、次はNISAの活用を考えます。
NISAは年金ではありませんので、いつでも引き出すことができます。より自由度が高い制度と言えます。
NISAには一般NISA、つみたてNISAとジュニアNISAの3種類があります。
一般NISAとつみたてNISAでは、同じ年にはどちらか一方でしか拠出できないという制約があります。このため、どちらを選択するかに注意が必要です。
一般NISAは非課税期間は最長5年です。ロールオーバーという手続きを取ることで、6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。
5年のうちにいったん売却するか、ロールオーバーするかに注意が必要です。
ジュニアNISAは未成年の子供の名義の口座で親権者が運用するもので、他の2種類とは性格が異なります。
ジュニアNISAは名義人が少なくとも18歳になるまでの運用が想定されています。非課税期間は最長5年ですが、ロールオーバーで、6年目以降も名義人が20歳になるまで非課税で運用することが可能です。
一般NISAとつみたてNISAを活用してまだ資金に余裕がある場合は、ジュニアNISAを活用します。(もちろん対象となる0歳から19歳のお子様がいることが前提です。) 本ブログでは、3種類のNISAとそれぞれの活用方法について書いていきます。
NISAの非課税枠の全てを使い切るのが理想です。
ただし、リスクを取れる方は、非課税枠の全部は使わずに、残りの資金で【ステージ3】資産ポートフォリオの展開に進むのもありと思います。
投資の対象
企業型確定拠出年金(DC)、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAでは、何に投資すればよいでしょうか?
本ブログでは、日本株のインデックスファンドに投資することをお勧めします。日本株の代表的なインデックスは、日経平均とTOPIXです。
以下のポイントで検討した結果です。
- 地域は国内か海外か
- 種類は株式か債券か不動産か
- 株式の場合、個別株かインデックスファンドか
【参考】収支モデル
収支モデルとは
【ステージ2】の収支モデルを説明します。
収支モデルには以下の3種類があります。
- 収入のモデル
- 収入と支出と投資のモデル
- 資産のモデル
収入のモデルは収入の内訳を示します。
収入と支出と投資のモデルは収入、支出、投資および貯蓄の関係を示します。
資産のモデルは月初と月末の資産の差異と投資と貯蓄の関係を示します。
収入のモデル
収入については以下の式が成立します。
仕事からの収入では、各種手当や各種控除、等は簡略化のため割愛しています。
企業年金の掛金は勤め先に企業年金の制度がある場合のみです。これが企業年金の原資となります。(個人事業主、等の場合は、相当する年金(国民年金、等)に読み替えてください。)
社会保険料が公的年金の原資となります。
その他の収入は、贈与による収入、等です。
収入と支出と投資のモデル
収入と支出と投資については以下の式が成立します。
- 収入 - 支出 = 投資 + 貯蓄
- 投資 = 個人年金の掛金 + NISAの掛金
投資として、個人年金の掛金とNISAの掛金を拠出します。
余った資金は貯蓄します。
個人年金の掛金の個人年金はiDeCo(個人型確定拠出年金)のことです。
資産のモデル
資産については以下の式が成立します。
- 月末の資産 = 月初の資産 + 投資 + 貯蓄
【参考】資産ポートフォリオ
資産ポートフォリオとは、現金、株式、債券、不動産、貴金属、仮想通貨、等の個人や法人が保有している資産の一覧のことです。
資産ポートフォリオを組む目的はリスク分散です。
資産を一種類に集中せずに分散して持つことで、リスクを軽減しつつ、ある程度のリターンを得ることを目指します。
『資産の構築と運用の5つのステージ』では、資産ポートフォリオを段階的に構築することをお勧めします。
資産ポートフォリオの内容は、新社会人からリタイア後世代までのライフステージの遷移につれて変化していきます。
【ステージ2】での資産ポートフォリオは以下の通りです。 代表的なものとして、種類は現金、株式と不動産の3つ、地域は国内と海外の2つで分類した資産ポートフォリオを示します。なお、現金は紙幣、硬貨だけではなく預金も含めます。
【ステージ2】投資優遇制度の活用は、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAといった投資優遇制度を活用した投資を開始するステージです。
【ステージ2】での資産ポートフォリオは以下の通りです。
国内 | 海外 | |
---|---|---|
現金 | 〇 | |
株式 | 〇 | |
不動産 |
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAによる国内株式への投資を開始します。
おわりに
今回は投資優遇制度の活用について書きました。
せっかく政府が用意してくれている制度ですので、活用しない手はありませんね。
次回は【ステージ3】投資資金の準備について説明します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。
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