【ステージ2以降】NISAについて 概要と3種類のNISAの使い分けのポイント
以前に『資産の構築と運用の5つのステージ』の各ステージの概要を「 『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要」で説明しました。
【ステージ1】家計の黒字化で毎月の家計の収支を黒字化したら、次は【ステージ2】投資優遇制度の活用で毎月資金を積み立てて投資します。
投資優遇制度には、企業型年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAがあります。
前々回は「【ステージ1以降】企業型年金について 概要とチェックすべき4つのポイント」として企業型年金について、は「【ステージ2以降】iDeCo(個人型確定拠出年金)について 概要と注意すべき2つのポイント」としてiDeCo(個人型確定拠出年金)について説明しました。
今回はNISAについて説明します。
NISAの概要
「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、政府はいくつかの投資優遇制度を用意してくれています。
NISAもこの一つです。毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品の売却益に対する税金が非課税となる制度です。
個人で独自に資産運用した場合の税金は約20%ですので、この分お得です。
これを活用しない手はありませんね。
ただしiDeCo(個人型確定拠出年金)には、拠出金が所得から控除されるため所得税や地方税の減税となるメリットがありましたが、NISAにはこれはありません。
NISAには一般NISA、つみたてNISAとジュニアNISAの3種類があります。以下、それぞれの概要を説明します。
一般NISAの概要
- 対象は20歳以上。
- 年間投資額は最大120万円。
- 非課税期間は最長5年。
- 最大600万円まで拠出可能。
- 拠出の時期と金額は自由に決定可能。
非課税期間は最長5年と書きましたが、ロールオーバーという手続きを取ることで、6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。
ただしロールオーバーした年に新規に拠出できるのは年間120万円からロールオーバーした分の評価額を差し引いた金額までに制限されます。
ちょっとややこしいですね。
つみたてNISAの概要
- 対象は20歳以上。
- 年間投資額は最大40万円。
- 非課税期間は最長20年。
- 最大800万円まで拠出可能。
- 自分で決めた頻度(月1回が一般的)と金額で自動的に拠出される。
ジュニアNISAの概要
- 対象は0歳から19歳。
- 運用は親権者が代行して行う。
- 年間投資額は最大80万円。
- 非課税期間は最長5年。
- 最大400万円まで拠出可能。
- 拠出の時期と金額は自由に決定可能。
- 原則は18歳まで引き出せない。
- 20歳から一般NISAへの移管が可能。
非課税期間は最長5年と書きましたが、一般NISAと同様に6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。
18歳以前に解約して引き出すことは可能です。ただしその場合、売却益に対して課税されます。(一般NISAとジュニアNISAは、いつでも解約出来て、その時点での売却益は非課税ですので、この点が異なります。)
3種類NISAの使い分けのポイント
1. 一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択
重要なポイントは、一般NISAとつみたてNISAは同じ年にはどちらか一方でしか拠出できないということです。
(なお、拠出しないほうのNISAも、その年に非課税で運用を継続することは可能ですので安心してください。)
では、一般NISAとつみたてNISAのどちらを選択すればよいでしょうか?
本ブログでは『資産の構築と運用の5つのステージ』として段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。
毎月資金を積み立てて投資することは重要ですが、積み立ては無理のない範囲で行うのがお勧めです。
【ステージ2】投資優遇制度の活用の方々で、年間で40万円(毎月約3万3千円)以上のペースでNISAに拠出することが大変な場合は、まずはつみたてNISAから開始するのがよいと思います。
家計の収支に余裕が出来た時点で、つみたてNISAへの拠出は停止して一般NISAに切り替えることが出来ます。
それに対し【ステージ3】投資資金の準備以降の方々で、投資資金が手元にあり、家計の収支に余裕がある場合には、一般NISAを利用し、早めに最大600万円の枠を使い切るのがよいと思います。(最短で毎年120万円×5年です。)
一般NISAの制度が続く限り、非課税で運用を続けることが出来ますので、早めに資金を投入したほうが複利効果をより長くより大きく享受することができます。
両者の間の方々は、今後の家計の収支の見込みを考慮した上で、どちらのNISAを選択するのか、またいくら拠出するのかを決定するのがよいと思います。
2. 資金に余裕がある場合はジュニアNISAも
一般NISAとつみたてNISAを活用してまだ資金に余裕がある場合は、ジュニアNISAを活用します。(もちろん対象となる0歳から19歳のお子様がいることが前提です。)
さらに、ご自身の資金に余裕がない場合にも、ご両親には余裕がある場合があります。
政府は経済活性化等の目的から「高齢世帯から現役世帯への資産移転」を促進すべく制度を整えており、その一環がジュニアNISAです。
ご両親からお子様に資金を贈与していただき、それをジュニアNISAで運用することを、ご両親に相談してみてはいかがでしょうか?
贈与という行為には心理的ハードルがあります。可愛いお孫さんの大学入学のためということでしたら、それも下がるのではないでしょうか。
なお、一人当たり年間110万円以上の贈与に対しては、贈与された側に贈与税がかかりますので、注意が必要です。
おわりに
今回はNISAについて書きました。
政府がせっかく用意してくれている投資優遇制度ですので、これを活用しない手はありませんね。
ただしNISAの運用は個人で行いますので、その運用の結果は自己責任です。
下手な運用をして、元本を下回ってしまったら、元も子もありません。
本ブログでは、NISAの運用方法について書いていきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。
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