資産の構築と運用の5つのステージ

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【ステージ2以降】一般NISAとジュニアNISAでの金融商品の購入方法 ドル・コスト平均法とクォーター法の提案

カレンダーと電卓

ウィステリアファイナンス主筆です。

NISA(少額投資非課税制度)には、一般NISA、つみたてNISAとジュニアNISAの3種類があります。

このうちつみたてNISAでは、あらかじめ設定した金融商品が定期的に定額だけ自動的に購入されます。
これに対して一般NISAとジュニアNISAでは、どの金融商品をどのタイミングでいくら購入するかは自分で自由に決定できます。
では、一般NISAとジュニアNISAでは金融商品をどのように購入すればよいでしょうか?

今回は一般NISAとジュニアNISAでの金融商品の購入方法を考えてみます。

一般NISAとジュニアNISAのおさらい

NISAとは

本ブログ『資産の構築と運用の5つのステージ』では、段階的に資産を構築し運用することを提唱しています。(詳細は「『資産の構築と運用の5つのステージ』とは 各ステージの概要」を参照お願いします。)

5つのステージのうち【ステージ2】投資優遇制度の活用からNISA(少額投資非課税制度)を使用して投資します。

 

貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、政府はいくつかの投資優遇制度を用意してくれています。
NISAもこの一つです。毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品の売却益と配当に対する税金が非課税となる制度です。
個人で独自に投資した場合の税金は約20%ですので、この分お得です。利益が25%増しとなるのと同じです。

 

NISAには、一般NISAつみたてNISAジュニアNISAの3種類があります。

このうち、つみたてNISAでは、あらかじめ設定した金融商品が定期的に定額だけ自動的に購入されます。
これに対して一般NISAとジュニアNISAでは、どの金融商品をどのタイミングでいくら購入するかは自分で自由に決定できます。

一般NISAとジュニアNISA

一般NISAとジュニアNISAについて下表に整理します。

  一般NISA ジュニアNISA
名義 本人 本人
運用 本人 親権者
年間拠出額 最大120万円 最大80万円
非課税期間 最長5年 最長5年
最大拠出額 最大600万円 最大400万円
購入方法 任意 任意
売却方法 任意 任意
資金の引き出し 任意 原則は18歳まで禁止

一般NISAとジュニアNISAの類似点と相違点

一般NISAとジュニアNISAの大きな相違点は、ジュニアNISAでは本人ではなく親権者が運用することです。

また、一般NISAでは資金を自由に引き出せます。これに対して、ジュニアNISAでは原則は本人が18歳になるまで引き出しは禁止です。正確に言うと18歳以前に引き出すことは可能ですが、その場合は利益に対して課税されます。

 

先述の通り、一般NISAとジュニアNISAはともにどの金融商品をどのタイミングでいくら購入するかは自分で自由に決定できます。(自由といっても、制度に認められた金融商品と年間拠出額の範囲内ですが。)

一般NISAとジュニアNISAはともに非課税期間は最長5年ですが、6年目以降は課税されるというわけではありません。
ロールオーバーという手続きを取ることで、6年目以降も継続して非課税で運用することが可能です。価格が上昇して年間拠出額を超えていても、超えた部分を含めて非課税で運用することが可能です。

一般NISAとジュニアNISAはともに購入した金融商品をいつでも売却できます。ただし一度売却すると非課税枠から外れます。売却した資金で別の金融商品を購入すると、新たに非課税枠を使うことになります。(企業型確定拠出年金(DC)とiDeCo(個人型確定拠出年金)では売却しても非課税枠は減りません。)

 

NISAの詳細は以下の記事を参照お願いします。

wisteriafinance.hatenablog.com

 

一般NISAとジュニアNISAでは何を購入するのか?

以前に記事「【ステージ1以降】企業型確定拠出年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAでは何に投資すべきか?」において、企業型確定拠出年金(DC)、iDeCo(個人型確定拠出年金)およびNISAでは実績がある株式インデックスファンドに投資することをお勧めしました。
ここでも実績がある株式インデックスファンドに投資することをお勧めします。

一般NISAとジュニアNISAではどう購入するのか?

株式市場は常に変動

株式市場は常に変動しています。

例えば日経平均は以下のように変動しています。日経平均のインデックスファンドの価格も同様に変動します。

stocks.finance.yahoo.co.jp

このように価格が変動するインデックスファンドをどう購入するのがよいでしょうか?

基本的な投資方法

まず最も基本的な投資方法を紹介します。ファイナンシャルプランニングの教科書でも推奨されているような方法です。
それはドル・コスト平均法です。

ドル・コスト平均法とは、投資家が金融商品を購入する場合に一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して購入する方法です。定額購入法とも言います。何のことはない、つみたてNISAの購入方法ですね。

定額を購入というのが肝心です。金融商品の価格が高い時は購入数が少なくなり、逆に価格が安い時には購入数が多くなります。
このため、単純に定数を購入するのに比べ、平均すると割安で購入することができる場合が多いです。

このようにドル・コスト平均法は、長期投資でリスクを抑制し、安定した収益を得たい場合に使われる手法です。
もちろん、最も安い時を見はからって、その時にまとめて購入すれば、もっと割安になります。しかし投資でタイミングを計っても失敗することが多いので、そのリスクは避けるということです。

クォーター法の提案

先述の通り、ドル・コスト平均法では、投資では売買タイミングは読めないことを前提としています。本当にそうなのでしょうか?
過去の株価のチャートを見ていると、明らかな上昇と下落の波があり、読めそうな気がしますよね?

個別株は、事件、事故、不祥事、訴訟、業績発表、その他の事情によって株価は突発的に大きく変動します。それに対してインデックスファンドでは個別株の変動は平準化されますので、個別株よりは読みやすいのではないでしょうか?

 

そう考えて、少しリスクを増やしてでも、リターンを増やしたい方々に、一般NISAとジュニアNISAにおける金融商品の購入方法の提案があります。クォーター法です。クォーターは四半期(1月~3月、4月~6月、7月~9月、10月~12月)のことです。
クォーターはドル・コスト平均法をアレンジしたものです。

 

それではクォーター法について説明します。
一般NISAまたはジュニアNISAで1種類のインデックスファンドを購入するのを前提として説明します。複数のインデックスファンドを購入する場合は適宜読み替えてください。

 

クォーター法の購入方針は以下の通りです。

  • 年間の拠出金額を4等分し、各クォーター(四半期)に割り当てる。
  • 基本は各クォーターに1回、タイミングをみて購入する。
  • 第1クォーターから第3クォーターの資金は、それぞれ次のクォーターまでは繰り越してよい。

 

要するに4回にタイミング分散して購入するわけです。

「タイミングをみて購入する」の「タイミング」を考えてみます。

ご存じの通り、株価は数ヶ月単位で波のように山と谷を形成して変動します。(きれいな波でないので投資は難しいのですが...)
山頂の価格を最高値、谷底の価格を最安値としますと、最高値→最安値→最高値→最安値→最高値と続きます。

 

購入ポイントは、最高値から最安値に下落してから、少し上昇したところがよいでしょう。言い換えると最高値から最安値で下落した分から、ある程度の割合で上昇したところです。
この割合を上昇率と呼びます。

上昇率の目安は10%~20%ではないでしょうか。

理想は上昇率=0%、即ち最安値で購入することです。しかしピンポイントであてることはほぼ不可能です。
最安値と見えた値から少し上昇してから、またさらに下落するという動きは株価でよく見られます。このようなフェイクに引っかからないように、ある程度のマージンが必要です。
相場の格言にも「頭と尻尾はくれてやれ」とあります。

ただし上昇率を高くすると、その分、高値で購入することになるため、売却益が少なくなります。

上記のことを考慮して、上昇率の目安は10%~20%としました。
興味がある方は、ご自身が投資するインデックスファンドで、最適な上昇率を過去のデータから算出してみてはいかがでしょうか?

購入ポイントは以下の通りとなります。

(購入ポイント) = (最安値) + (最高値 - 最安値) × 上昇率(10%~20%)

 

各クォーターに1回購入するのが基本です。ただし株価の上昇が長く続いたり、下落が長く続いたりすると、クォーターの中に購入ポイントがない場合があります。
また、株価が急上昇してしまって購入ポイントで購入しそこなう可能性もあります。

このような場合のため、「第1クォーターから第3クォーターの資金は、それぞれ次のクォーターまでは繰り越してよい」という規定を設けました。

繰り越しは次のクォーターまでとしたのは、次々と繰り越して1つのクォーターで3回や4回も購入することを避けるためです。それではタイミングの分散が図れませんので。購入ポイントでなくとも次のクォーターの中で購入します。

なお、年間拠出額は12月末にリセットされるので、第4クォーターの資金は繰り越しできません。

クォーター法で失敗したら

クォーター法をまず1年試してみましょう。
そしてそのパフォーマンスを基本的な投資方法を取った場合と比較してみるのです。

パフォーマンスが劣ったのであれば、「やはり自分には売買タイミングは読めない」と痛感して、基本的な投資方法に戻ればよいです。

またパフォーマンスが少し勝っても、利益の増加は自分のかけた労力には見合わないと感じるならば、基本的な投資方法に戻ればよいです。

おわりに

今回は一般NISAとジュニアNISAでの金融商品の購入方法について書きました。

政府がせっかく用意してくれている投資優遇制度ですので、賢く活用して資産を増やしたいですね。
次回は、一般NISAにおけるロールオーバーの要否について書く予定です。ご期待ください。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。

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