【ステージ2以降】株式市場の暴落局面の心構え ピンチをチャンスに変えるために
新型コロナウイルス騒動は新しいステージに入り、今や欧州が震源地となっています。
株式市場も乱高下が続いています。いったん反転上昇しても、長続きせず、さらに下落するパターンで、まだ底が見えません。
このような株式市場の暴落局面では、何を考えて、何をすべきでしょうか?
普段はファイナンシャルプランナーの立場でブログを書いていますが、今回は20年以上の株式投資の経験者として、その立場から少し離れて書いてみます。
株式投資をまだ行っていない人の心構え
暴落は必ず繰り返し起こるもの
株式投資をまだ行っていない人は、今回の暴落を目の当たりにして、「株式投資は怖い」という強烈な印象を持ったことと思います。
暴落は過去にも何度も繰り返されてきました。リーマンショックが有名ですが、ITバブル崩壊、ギリシャ通貨危機、アメリカ同時多発テロ、東日本大震災、等々、様々な原因で暴落が起きています。
さすがに今回ほどの暴落は数年に1回ですが、年に数回は小規模な下落(調整)が起きています。去年もトランプさんの米中貿易摩擦のツイートをきっかけで起こった騒動は記憶に新しいでしょう。
ただし、ときおり下落をまじえつつも、経済の発展とともに上昇を続けるのが株式市場です。
過去のSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)等の感染症、アメリカ同時多発テロのような大事件や東日本大震災のような天変地異の場合もそうでした。過去はそうでしたら、未来もきっとそうでしょう。
暴落は必ず繰り返し起こるものとして認識して、必要以上に恐れないことが重要です。(コロナウイルスもそうですね。)
まずは口座開設を
株式投資をまだ行っていない人にとっては、今が絶好のチャンスです。
暴落時には、人々は不安にかられて株を投げ売りしますので、株価は必要以上に下落します。だから割安で購入できるチャンスなのです。
積み立て投資の場合は、株価が下落している間は、多めに株を購入できます。これが、株価が回復した際のパフォーマンスの向上に直結します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の対象者なのにまだ始めていない人、NISAを行っていない人は、まずは口座を開設しましょう。
同じようなことを考える人も多くて、業者に口座開設依頼が殺到して手続きに時間がかかるかもしれません。口座開設が完了したときには、もう株価が回復していたということにならないように急ぎましょう。
企業型確定拠出年金(DC)で、株式を運用対象にしていない人は、運用対象に株式を追加しましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA、企業型確定拠出年金(DC)については、以下の記事を参照してください。
wisteriafinance.hatenablog.com
wisteriafinance.hatenablog.com
wisteriafinance.hatenablog.com
株式の購入のタイミング
今後の株式の購入のタイミングについて考えてみましょう。
まず、積み立て投資の場合は、タイミングは考慮する必要がありません。iDeCo(個人型確定拠出年金)、積み立てNISA、企業型確定拠出年金(DC)、等が該当します。
購入は定期的に決まった日に行われるからです。
これからさらに株価が下落するかもしれませんので、積み立て開始は、4月、5月、あるいはそれ以降からにしたほうがよいと考える方もいるかもしれません。でも、現時点でも長い目で見たら十分に下落していますので、積み立て開始は出来るだけ早くでよいと思います。
次は、積み立て投資以外の場合です。
積み立て投資のように定期的に少額ではなく、ある程度まとまった金額を投資する場合です。これは(積み立てではない)一般NISAを含みます。
この場合は、タイミングを考慮することは重要です。
しかし、神ならぬ身では、暴落の底値を正確に当てることは出来ません。「落ちてくるナイフを拾うな」という格言(?)もあります。
このため、次善の策を取らざるを得ません。これは「上がりはじめてから買う」です。
そのポイントとして一般的なのはダブルボトムです。
ダブルボトムとは、株価が"W"の文字を形成する場合です。まず、そろそろ下がりすぎだと株価が下げ止まり、いったん上昇します。ただ人々は疑心暗鬼なので、ちょっとしたきっかけでまた株価が下がります。でも、前の底値よりは下がらず、また上昇を開始すると、もう大丈夫じゃないかと思うわけです。
ただし、ダブルボトムでは済まずに、トリプルボトム、またはそれ以上を繰り返してから上昇する場合もあります。逆に一気にV字で超回復する場合もあります。
このため、一度に購入するのではなく、タイミングをずらして数回に分けて購入するのがお勧めです。
株式投資を既に行っている人の心構え
長期投資の場合
もともと長期投資を考えている場合は、相場に振り回されずに今までの戦略を継続して実行するのが肝心です。
バイ・アンド・ホールド戦略をとり、現金が必要になるまで売却しないのがお勧めです。
今までの暴落の時と同様に、新型コロナウイルスによる暴落からもいずれ回復するのは確かなためです。
暴落前の水準まで戻るのに2、3年かかるかもしれませんが、その期間以上のタイムスケールで考えましょう。
もともと長期投資はそういうものですよね。
短期投資の場合
短期投資をしている方々は、(初期に売り抜けたり、空売りをしている場合を除いて)ほぼ今回の暴落で何らかの損失を被っていると思います。
損失にもいくつかのケースがあり、以下に分類できます。
それぞれのケースにつき、心構えを書いておきます。
一番目のケースの場合は、まずはおめでとうございます。深刻な損失は回避できたわけですから。
損切りの重要さをしみじみと味わって、今後も徹底することを誓いましょう。なお、将来に備えて、今回、発動した損切りの条件が適正であったか、見直してみるのもよいと思います。
二番目のケースの場合は、なぜ設定したルールを守れなかったかを分析して、もう繰り返さないように誓いましょう。
ありがちなのは、じわじわと損切りラインを割った時には損切り出来るのに、一気に通過してしまった時には出来ない、ということです。何かと理由をつけて、もう少し様子を見ようとしてしまうわけですね。(自分でも何度も痛い経験があります。我ながら変な理由を思いつくものだと感心します(笑))
重要とわかっていても、なかなか徹底できないのが損切りです。対策としては、損切りラインを2段階に分けて設定して、半分ずつ売却するというのも有効と思います。
三番目のケースの場合は、損切りの重要さを痛感したと思います。将来に備えて、今後の取引で設定する損切りルールを考えてみましょう。
最後に、現時点で、含み損を抱えたまま、まだ売却していない方々はどうすればよいでしょうか? (短期投資目的の方々でそれは、さすがにごく少数でしょうが。)
それには2つのオプションがあります。
- 長期投資として頭を切り替えて、売却しない覚悟を固める
- 今からでも遅くないので、損切りラインを設定する
このどちらかではなく、曖昧な心構えのままでいると、本当の狼狽売りとなってしまいます。
セリング・クライマックスの最後の最後で心が折れて売却すると、何故かその翌日から(最悪はその日のうちに)反転上昇が始まったりするのですね。
それだけは避けましょう。
おわりに
今回は新型コロナウイルス騒動に伴う株式市場の暴落について書きました。
現在は厳しい状況ですが、いずれ必ず株式市場は回復します。ピンチをチャンスに変えるために、冷静に回復を待ち、それに備えましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
皆様のお役に立てましたら幸いです。